受験生をアシスト 信越線で「特雪」DD14型が運転
国鉄がJR各社に民営化される以前、冬の雪国では日常的に見られた除雪列車。合理化が進んだ現在では、ほとんど見る機会もなくなったが、13日、新潟県と長野県を結ぶ信越線で、「特雪」(とくゆき)と呼ばれる、珍しいロータリー車による「特殊排雪列車」が運転された。
現在、各地のJR線区では、大量の積雪があった場合、多くは一定区間の列車を止めて線路を閉鎖、除雪機能を持つ保線用のモーターカーを行き来させて作業を行う。列車の運用がない線路の除雪作業では、車両を前後に動かすことも可能。さらに、モーターカーは法規上、鉄道車両に含まれないため、「列車」の運転資格がなくても運転できるため、合理的に作業が進められるとされる。
信越線でも、普段の積雪時はモーターカーによる雪かきを実施しているが、日本有数の豪雪地帯だけに、降雪が度重なると線路脇に雪の壁ができ、これを崩してさらに遠くへ吹き飛ばすことが必要になる。
ここで、登場するのが「特雪」だ。
「特雪」はDD14型ディーゼル機関車の重蓮。運転台が片側にある「エンドキャブ式」という、珍しいデザインの機関車を、後部同士がくっつく形で連結。先頭に線路周辺の雪をかき集めて取り込み、遠くへ飛ばす「ロータリーヘッド」を取り付けて走らせる。まるで人が歩くような速さだが、モーターカーと違って、こちらはダイヤが組まれた「列車」。鉄道車両として登録された車両を「運転士」が操る。しかも、いつ廃車になってもおかしくない古い車両。これが、ファンにはたまらない魅力になっている。
13日の作業は、14、15の2日間行われる大学入試センター試験に備える狙いがあった。試験会場への足に信越線を利用する受験生に、列車の遅延などで迷惑をかけることがないよう配慮したという。
この日、特雪が運転されたのは、直江津‐妙高高原間。ディ-ゼルエンジン音を白銀の世界にとどろかせ、雪を吹き飛ばしながらゆっくり列車が迫ると、沿線に詰めかけたファンは、一斉にシャッター音を響かせた。
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